カーボンナノチューブの応用 - 研削・分散プロセス

カーボンナノチューブ(CNT)は、グラファイトフレークを巻き曲げて形成される新しいタイプのグラファイト材料です。これは、直径が1~数百度ナノメートルの範囲で、グラファイトフレークが円筒状に巻き取られた構造から成り立っており、主な用途としては以下の通りです。

集積と分散の問題
カーボンナノチューブは優れた物理特性を有していますが、その凝集体状態の存在や炭素表面の化学特性により、カーボンナノチューブを他の材料マトリクスと均一に混合することが難しいという課題があります。
推奨プロセス:
単一カーボンナノチューブの特性を最大限に活用するためには、対象となるマトリックス材料内にカーボンナノチューブを均一に分散させ、それを基材として利用することが必要です。具体的には、対象マトリックス材料中において、せん断混合や研磨などの物理的手法を用いて、カーボンナノチューブを効果的にマトリックス内に分散させる必要があります。

アプリケーション例:
高品質のカーボンナノチューブを主要な機能性フィラーとして使用し、水系の高機能かつ環境に優しい樹脂を基材とするカーボン導電ペーストです。純水を溶剤とし、適切な割合で輸入カーボンブラックを補助材料として添加しています。ZYE均質化機による混合・脱泡技術と、ZYE三ロール機の高効率分散機能を活用することで、スラリーは均一かつ安定した状態となります。この高い均一性と安定性を確保することにより、優れた性能を持つ電気加熱用またはシールド用途の導電フィルムを製造することが可能です。

 

このプロセスにより、金属導電フィラーを一切添加することなく、製品の品質と優れた性能が一貫して確保され、さらに低面積抵抗(25.4μm厚の場合、最小で6.5Ω)での優れた接着性も実現します。