リップスティックとリップグロスにおける分散性

リップスティックおよびリップグロスにおいて、超微粒子と粗粒子の両方が高い含有率を示すことがあります。これは、一部の粒子が分散力の作用により繰り返し分散される一方で、他の粒子はまったく分散されないためです。


三ロールミルは、最も効果的な分散装置です。各三ロールミルでは、ロール間の圧縮力と、ロールの異なる回転速度によって生じる高いせん断力が相まって、粒子サイズの微細化および凝集体の分散が実現されます。材料全体がロール間の隙間に充填されるため、粒子サイズは精密に制御可能であり、狭い分布幅を有しています。ロール間のギャップを調整することにより、粒子サイズを容易かつ正確にマイクロレベルまで加工することが可能です。そのため、他の研磨装置と比較して、三ロールミルは粒子サイズ分布を効果的に改善し、より均一で集中度の高い粒子サイズ分布を実現します。


化粧品分散ソリューションの紹介

 

口紅プロセスフローの概略図

 

国内有数の化粧品製造企業

ミキシング前後

スリーロールミルで粉砕された口紅

 

準備段階における問題点
顔料研磨 顔料は主に粉末状であるため、粒子は比較的細かくても、しばしば塊となって凝集することがあります。そのため、直接脂質基剤に添加しても均一に分散させることが難しくなります。このため、使用する顔料は事前に粉砕しておく必要があります。さらに、スムーズな粉砕作業を進めるために、顔料に少量の液体油を加えて混合し、その後、機械的な粉砕手法を用いるのが一般的です。
着色剤とリピッドベースの混合: 一般的に、染料はまず溶剤に加えられ、加熱して溶解させます。その後、粉末状の顔料とワックス原料を投入し、さらに溶解後に半固体状の油分を加えて均一に攪拌した後、高温のまま研磨作業を行います。脱気処理を経たのち、香料などの補助材料を添加します。

 

ケース:着色リップスティック – 成分(添加量 W%)

 

 

(化粧品のお客様より提供)

 

プロセス推奨事項: ZYEミキシングおよび粉砕技術を活用します。まず、高速非侵入型の手法を用いて、油類、ワックス、柔軟剤、着色剤、香料などを完全かつ均一に混合します。次に、物理的手法による高いせん断力を用いて凝集体を微細化・分散させ、さらに粒子の細かさを向上させることで、より滑らかな塗布感を実現します。